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ナットウキナーゼで血栓は予防できない

 仙人

ナットウキナーゼで血栓が溶けるという説

納豆には納豆菌により作られたナットウキナーゼという酵素が含まれていることが知られています。このナットウキナーゼに血栓溶解作用があり、納豆を食べれば血栓が予防できると言うことが世間では言われています。これは果たして本当でしょうか?

ナットウキナーゼは体に吸収されない

ナットウキナーゼを血栓に直接作用させると、確かに血栓は溶けるようです。しかし、ナットウキナーゼは酵素ですから、食べても、体に吸収されることはありません。従って、納豆を食べて、そのナットウキナーゼで血栓が溶けるというのは、全くのでたらめと言うことになります。

酵素は体に吸収されない

酵素というのは、そもそもタンパク質ですから、外部から食物として取っても、消化酵素でアミノ酸に分解されるだけです。よって、吸収されることはありません。つまり、アミノ酸になってしまうわけですから、卵を食べたり、肉を食べるのと変わりません。言うまでもないことですが、酵素を何らかの形で消化液によって分解されないようにして、腸まで運んでいっても、吸収されることはありません。タンパク質であるため、分子の大きさが大きすぎて、腸から体内に入ることができないのです。そういうわけで、ナットウキナーゼに限らず、酵素入りの健康食品というのは、全部インチキです。

それでも納豆で血栓が溶けると主張する納豆業界(^ ^;;;

酵素であるナットキナーゼが体に吸収されないことは、疑いの余地がありません。納豆業界でもその点は認めているようです。ところが、「納豆を食べると、血栓が溶解することを示す測定値が出るから、血栓が溶解しているのは事実である」と主張しています。しかし、そもそも血栓は、特に何もしなくても溶解することがありますから、一つや二つの研究でそういう結果が出ても、信用できるわけではありません。もちろん、後続の研究がない様では、こういう先行の研究は、そもそもねつ造である可能性もあります。また、犬を使った実験がよく紹介されていますが、実験に使われた犬はわずか10頭です。こんなに少ないのでは、信頼できる実験とは言えません。大体、標本の大きさが10以下では統計的な検証すらまともにできません。納豆で血栓が溶ける証拠とされている研究は、いずれも相当昔に行われた微小な数の研究です。納豆を食べると血栓が溶けると主張する人たちは、この様な大昔に行われたわずかな数の実験を拡大解釈して、科学的に意味のない主張をしているに過ぎません。科学の歴史を見れば分かるように、この程度の規模の研究から出てきた説というのは泡のようにすぐ消えるものです。くれぐれも気をつけましょう。
2008年8月5日


外部資料

国立健康・栄養研究所の見解:
納豆そのものや発酵ろ液にふくまれる酵素ナットウキナーゼが、俗に「血栓の溶解に関与する」といわれているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータがない。(記載内容: 2008年8月15日現在)


参考画像

酵素は下図のような構造を持ったタンパク質です。胃腸から吸収されることはありません。
酵素 Purine Nucleoside Phosphorylase (PNP)
©NASA
酵素 glyoxalase
©WillowW


2008年8月5日 初稿
2008年8月15日 改稿・増補・参考画像添付

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